アーティスト紹介

ヨセ・ファン・ルーン

Jose van Loon(ヨセ・ファン・ルーン)

作品説明

標本箱の中のタマゴ、いもむし、蝶のさなぎ。その形は実物からの発想だが100%の写実ではなく生物学的には正確ではない。特定の生物の各成長段階でもなく、複数の生物の同じ成長過程が入っていることもある。それには理由がある。虫の成長段階を描写するのではなく、それぞれの段階を象徴として取り上げている。蝶は様々な段階を経て変態する。芸術においては、蝶は死と魂の象徴として使われる。蝶は箱には入っていない。ここでは見えない動き、成人の人生に起こる見えない動きが象徴である。人の命がどのような過程をたどるか、人はそれぞれにその成長過程に反応を示しながら成長する。心理学+社会学においては、“人生の中で直面すること”に人が反応し対処していく方法は多様であるとされている。それは多様なやり方で、多様な順序で、様々な時期に起きる。その反応が箱の中のカードに存在する。昆虫学では標本箱に蝶の名前のカードが入っているが、その反応が象徴として小さな記号でカードに示されている。
このような標本箱の作品群は、それぞれに独自のストーリーを語りかける。鑑賞する人の人生のストーリーにそれが伝わるだろうか。

作品一覧

見えない動き N0.9

TOPに戻るボタン